
Amazonプライムデー「K-Beauty Glow Up」
—受託ではなくプロデュース。プラットフォームを起点に、体験と売上をつなぐ。
COOGEEのプロジェクトの裏側と、そこにある考え方を記録する「COOGEE LOG」。
今回は、2026年7月7日(火)〜12日(日)に開催された、Amazonプライムデー連動オフラインイベント「K-Beauty Glow Up」を取り上げます。
COOGEEが担ったのは、イベントの企画・運営だけではありません。
Amazonの公式サービスプロバイダとして、オフラインイベントそのもののビジネスモデル設計から、協賛メニューの開発、クリエイティブ、タレントキャスティング、イベント運営、そしてNFCタグを活用したデータ連動の仕組みまでを一気通貫でプロデュースしました。
なぜ、COOGEEがこのイベントを手がけたのか。
本イベントのビジネスモデル設計から企画・運営までを担当した、企画プロデューサーのミンアと事業マネージャーの鎌田に話を聞きました。
OVERVIEWイベント概要
「K-Beauty Glow Up」は、Amazonプライムデーに合わせて開催されたオフラインイベント。プライムデーのセール対象となるK-Beautyブランド19社が一堂に会し、来場者はタッチアップやサンプリング、スタンプラリーを体験しながら、その場でAmazonの購買体験へと接続されます。
EVENT DATA
- 名称
- Amazonプライムデー「K-Beauty Glow Up」
- 会期
- 2026年7月7日(火)〜7月12日(日)
- 特設会場
- 渋谷MEDIA DEPARTMENT TOKYO
- 参加ブランド
- Anua / medicube / mixsoon / VT COSMETICS / FOODOLOGY / JUNG SAEM MOOL / TIRTIR / NATURE REPUBLIC ほか
COOGEEの担当領域
- オフラインイベントのビジネスモデル設計
- イベント全体の企画・運営
- ブランド向け協賛メニューの設計
- クリエイティブ全般(空間・グラフィック)
- タレントキャスティング
- NFCタグを活用した来場者データ取得の設計
INTERVIEW「イベントを受託する」のではなく、「事業をつくる」
PRODUCER:ミンア
本イベントのプロデューサー。クリエイティブディレクション、空間設計、タレントキャスティング、当日の運営統括を担当。
BUSINESS MANAGER:鎌田
事業マネージャー。Amazonとのスキーム構築、ビジネスモデル設計、協賛メニューの開発を担当。
——まず、今回のプロジェクトはどのように始まったのでしょうか?
鎌田:
出発点のひとつは、COOGEEがAmazonの公式サービスプロバイダに認定されたことです。
Amazonとは、2025年にBtoBイベント「AMAZON BEAUTY IN SEOUL」へ出展したことをきっかけに、Amazon×COOGEEでセミナーを開催するなど、継続的に取り組みを重ねてきました。その延長線上に、今回のプロジェクトがあります。
ただ、僕らが考えたのは、「プライムデーに合わせてオフラインイベントを開催しましょう」という企画だけではありません。オフラインイベントそのものが、継続可能な事業として成立する仕組みをつくれないか。そこから今回のプロジェクトが始まりました。
ミンア:
一般的なイベントでは、クライアントから依頼を受け、代理店が企画・制作し、納品して終わるケースも多いと思います。今回は、そこから少し発想を変えました。
COOGEEがブランド向けの協賛メニューを設計し、Amazonのセールスチームが各ブランドへ提案する。そして私たちは、参加ブランドが決まった後のイベント企画、クリエイティブ、キャスティング、運営までを一気通貫で担う。
「イベントをどうつくるか」だけでなく、「このイベントがどう事業として成立するか」から設計しました。
——「協賛メニューをつくり、Amazonのセールスチームがブランドへ提案する」というのはユニークな構造ですね。
鎌田:
ここが、今回のプロジェクトの大きなポイントだと思っています。
ブランドにとってオフラインイベントへの出展は、これまで「ブランディング施策」として、売上とは切り離して考えられることも少なくありませんでした。
でも今回は、Amazonという購買プラットフォームが起点にある。
会場で商品を知り、触れ、興味を持つ。その熱量が高い状態のまま、プライムデーでの購買へつなげることができます。
オンラインで「買う場所」と、オフラインで「好きになる場所」を分断しない。
プラットフォームを起点にすることで、ブランド体験と売上をひとつの流れとして設計する。
それが、今回の基本的な考え方でした。
——クリエイティブ面でこだわった点は?
ミンア:
「セールイベント」に見せすぎないことです。
値引きや商品情報だけを前面に出すのではなく、K-Beautyそのものをカルチャーとして楽しめる場所にしたいと考えました。
たとえば会場内には、アメリカンレトロなコンビニをモチーフにした「MINI CONVENIENCE STORE」をつくりました。
SALEのPOPやショッピングカート、小物まで細かく作り込み、「ここで写真を撮りたい」と自然に思ってもらえる空間にしています。
ブランドブースについても、イベント全体として統一しすぎるのではなく、それぞれのブランドが持つ世界観をきちんと表現できるように設計しました。
鎌田:
タレントキャスティングもCOOGEEの担当領域です。
単純に知名度だけで決めるのではなく、誰を起用すればブランドとAmazon、そして今回のイベントの文脈が自然につながるか。
COOGEEがこれまでクリエイターマネジメントやブランドマーケティングに携わってきた経験も、今回のキャスティングに活きていると思います。
——NFCタグを使ったデータ獲得についても教えてください。
ミンア:
各ブースにNFCタグを設置し、来場者がスマートフォンをかざすことでスタンプが貯まる、ラリー形式の体験を設計しました。
来場者にとってはゲーム感覚で会場を回遊できる仕組みですが、同時に私たちにとっては来場者がどのブランドに興味を持ったのかというオフラインでの行動をデータとして捉えるための仕組みでもあります。
鎌田:
オフラインイベントは、オンライン広告やECと比較して「効果が可視化しづらい」という課題があります。だからこそ今回は、NFCを活用してオフラインでの行動をデータ化し、その先にAmazonという購買プラットフォームがある状態をつくりました。
体験 → データ → 購買。
この3つをひとつの流れとして捉えることができれば、オフラインイベントは単なるブランディング施策ではなく、ブランドの成長により直接的につながるマーケティングの場になると考えています。
WHY WE DOなぜ、COOGEEがやるのか
——そもそも、なぜCOOGEEがこのプロジェクトをやる意味があったのでしょうか?
鎌田:
COOGEEは、受託会社ではなく、プロデュースカンパニーでありたいと考えています。
依頼されたものをつくるだけではなく、「誰と誰をつなげれば、新しい価値が生まれるのか」「どんな仕組みをつくれば、市場そのものを動かせるのか」から考える。
今回で言えば、Amazonの公式サービスプロバイダという立場を活かして、プライムデーという大きな購買のタイミングに、オフラインでのブランド体験を組み込む。
イベントそのものではなく、その座組と仕組みをつくることが、COOGEEの仕事だと思っています。
ミンア:
もうひとつは、COOGEEが運営するNedalyの存在です。
Nedalyは、美容を通じた新しい出会いを生み出すプラットフォームであり、メディアであり、コミュニティでもあります。
今回も、Nedalyのコミュニティメンバーにイベントをご案内しました。
私たちはイベントをつくるだけでなく、その先にいる美容感度の高い人たちと日常的につながっている。イベントを「箱」として運営するだけの会社と、熱量のあるコミュニティごと動かせる会社とでは、できることがまったく違います。
メディア、コミュニティ、リアルな体験、そしてコマース。
それぞれを別々の事業として考えるのではなく、ひとつの循環としてつなげていく。
それも、COOGEEがこのプロジェクトを手がける意味のひとつだと思っています。
——最後に、今後の展望を教えてください。
鎌田:
今回はK-Beautyをテーマにした取り組みでしたが、この仕組みは韓国ブランドだけに限定されるものではありません。
今後はAmazonのセールやさまざまな購買タイミングに合わせて、日本ブランドを含む多様なBeautyブランドとも取り組んでいきたいと考えています。プラットフォームを起点に、ブランドの体験と売上を同時につくる。
このモデル自体を、COOGEEの新しい事業として育てていきたいですね。
ミンア:
私たちは、当たり前を疑い、本質的に価値のあることを自分たちから企画するチームでありたいと思っています。
オンラインとオフライン。
プラットフォームとブランド。
ブランドと生活者。
それぞれの間にある境界を越えて、新しい接点をどうデザインするか。
まだ誰もつくっていない仕組みを考え、実際に形にする。
そこに、COOGEEがプロデュースカンパニーとして存在する意味があると思っています。