その一言が、誰かの言葉になる。
—BEAUTY PR|岩村ゆうか × 石塚なるみ × 西野なのか
商品の魅力を、伝え手へ届ける。
美容メディア、編集者、美容ライター。COOGEEのBEAUTY PRは、商品と「伝える人」との接点をつくるチームだ。情報提供や体験の機会を通じて、商品が理解され、評価される機会を広げていく。
その仕事の中心にあるのは、「言葉」だという。ブランドから届くオリエンシートを、メディアに届く言葉へ。そしてその言葉が、誌面を経て、クリエイターが自分の口で語る言葉になっていく。
チームの中心に立つ岩村ゆうかに、石塚なるみ、西野なのかを交えて聞いた。
話し手
岩村ゆうか|COOGEE【要確認:部署・肩書き】
石塚なるみ|COOGEE【要確認:部署・肩書き】
西野なのか|COOGEE【要確認:部署・肩書き】
雑誌に載ることは、信頼を積み上げること
——SNSで商品を知るのが当たり前になった今、なぜ雑誌などのオフラインメディアにこだわるのですか。
岩村:
SNSは、商品を「知る」場所としてはものすごく強いです。でも、知ったあとに「本当にいいのかな」と確かめる場所が要る。そのとき、美容のプロである編集者やライターが実際に試して、選んで、誌面に載せたという事実は、ブランドにとって大きな信頼になります。
SNSで見かけて、雑誌でも見かける。その重なりが、「使ってみたい」を「選ぶ」に変えるんだと思っています。
石塚:
同じ商品でも、どの企画で、どんな言葉と一緒に載るかで、読者の受け取り方はまったく変わります。だから私たちは「載ること」ではなく、「載った先で何が伝わるか」をゴールにしています。
ベストコスメは、半年前から始まっている【要確認:期間】
COOGEEが日本でのブランド運営を担ったミルクタッチでは、新商品のリップがベストコスメ13冠を獲得した。
——ベストコスメは、狙って獲れるものなのでしょうか。
岩村:
「狙う」というより、「逆算する」感覚です。評価していただくには、まず商品を知っていただき、実際に試していただく時間が必要ですよね。どの媒体の、どの企画と相性がいいのか。その選考に間に合うように、いつ情報を届け、いつ商品を手に取っていただくのか。受賞から逆算して、PRのスケジュールを組み立てていきます。
西野:
商品が編集部に届いた瞬間に、「これはこういう商品です」とすぐ伝わるかどうかは大きいと思います。試す前に見るポイントが分かっていると、使ったときの発見もはっきりする。手に取る体験と、言葉で伝える情報をセットで届けることを大事にしています。
岩村:
ベストコスメはゴールではなく、まだ商品を知らない人に届くための入口です。受賞をきっかけに信頼がさらに積み重なっていく。そこまでがPRの仕事だと思っています。
オリエンシートを、「読まれる順番」に組み替える
——一番こだわっているのが、メディア向けのリリースだと聞きました。
岩村:
はい。リリース一枚の出来で、そのあとのすべてが変わると思っています。
ブランドから届くオリエンシートには、伝えたいことがたくさん詰まっています。成分、技術、開発の背景、ブランドの想い。どれも大切です。でも、ブランドにとって一番大切なことと、初めてその商品を知る人が最初に知りたいことは、順番が違うことが多いんです。
ブランド側は開発ストーリーを一番伝えたい。でも読む人は、「それが私の毎日にどう関係するの?」を知りたい。そのあいだをつなぐ言葉を探すのが、私たちの仕事です。
石塚:
伝えたいことを全部同じ強さで並べると、結局何が特徴なのか分からなくなってしまいます。最初の一行で何を言うか。その一行を支える情報は何か。情報を削るのではなく、読まれる順番に組み替える作業です。
岩村:
ただ、分かりやすくしたいあまり、商品から離れた言葉を使ってしまったら意味がありません。書いたことと、実際に使ったときの実感がちゃんとつながっているか。そこだけは絶対にぶらさないようにしています。
一つの言葉が、メディアの言葉になり、クリエイターの言葉になる
——リリースの言葉は、その先にも広がっていくのですね。
岩村:
そこが一番面白いところです。リリースに書いた一つの言葉が、メディアで商品を説明する言葉になる。さらにそれを読んだクリエイターが、自分の体験と重ねて話す言葉になる。最初の一語が、最終的にその商品のイメージそのものになっていくんです。
だから、読んで意味が分かるだけでは足りない。誰かに話すときに、自然に口にできるか。その言葉から、使っている場面や気持ちが浮かぶか。そこまで考えて選びます。
「リリースの一語が、半年後には、誰かが自分の言葉で語る一語になっている。」【要確認:期間】
西野:
クリエイターさんも、自分の実感とつながる言葉のほうが話しやすいんですよね。渡された説明を読み上げるのではなく、自分の体験として語れる。そのきっかけになるのが、最初に届ける言葉だと思います。
AI時代だからこそ、言葉は上滑りする
——AIで誰でも整った文章が書ける時代に、言葉の仕事はどう変わりますか。
岩村:
むしろ、難しくなったと思っています。きれいに整った文章は、今は一瞬でつくれる。でも、整っているのに読んだあと何も残らない文章が、本当に増えました。聞こえのいい言葉が並んでいても、それを使う自分が想像できなければ、言葉は上滑りしてしまうんです。
私たちが目指しているのは、読んだ人が「あ、それ分かる」「ちょっと使ってみたい」と感じるリリース。人の感情にすっと入っていく言葉です。そのためには、商品を理解するのと同じくらい、それを使う人の気持ちを想像しなければいけない。そこは、人にしかできない仕事だと思っています。
石塚:
読みやすく整えた結果、どの商品にも当てはまる文章になっていないか。その商品だからこそ言えることが残っているか。最後に必ず確かめています。
西野:
声に出して読んでみたときに、自然に伝わるか。自分が友達に話すとしたら、この言い方をするか。そういう身体感覚みたいなものを、大切にしたいです。
最初の言葉に、責任を持つ
——言葉をつくることが、そのままブランドをつくることにつながっているのですね。
岩村:
はい。ブランドが大切にしていることを、まだ知らない人にも届く言葉にする。その言葉がメディアで紹介され、誰かの実感と一緒に語られ、商品を選ぶ理由になっていく。
私たちは、その最初の言葉に責任を持ちたい。 一枚一枚のリリースから、ブランドの信頼を積み上げていきたいと思っています。