NEDALY ROOM
—手に取ってから、決める。
NEDALY ROOM — Try it first.
A members-only beauty press room in Tokyo.
COOGEEのプロジェクトの裏側と、そこにある考え方を記録する「COOGEE LOG」。
今回は、2026年10月1日にオープンする会員制ビューティーショールーム「NEDALY ROOM」を取り上げます。
SNSで気になるコスメを見つける。ブランドから新しい商品が届く。美容との出会い方が広がるなかで、実際に手に取り、比べ、自分のペースで選ぶ時間をつくる。
NEDALY ROOMは、美容業界に関わる人たちが集う会員制のプレスルームです。国内外のブランドの商品を実際に手に取り、試し、自分の基準で選ぶ。一人ひとりが落ち着いて商品を知り、自分の視点を深められる環境を目指しています。
「ギフティングを、自分で選べるギフトへ。」
その考え方を、一つの空間でどう形にしていくのか。ブランドとの窓口を担う羽澤、キュレーションブランドの選定を担う金野、インフルエンサー窓口と運用管理を担う堀内、接客を担う野口。ROOMをつくる4人に聞きました。
ROOM DATA
- 名称
- NEDALY ROOM
- オープン
- 2026年10月1日
- 所在地
- 【要確認】※オフィス・カフェ(THE PATH COFFEE)を併設
- 利用対象
- ブランド、クリエイター、メディア、バイヤーなど美容業界に関わる人(会員制プレスルーム)
- 入会方法
- 【要確認:紹介制か、申込制か】
- 営業日時
- 【要確認:予約制か、フリー入場か】
- 取り扱いブランド
- 日本ブランド・デパコス・韓国ブランドを横断【要確認:オープン時点のブランド数】
- 主な什器
- Bolete Conference Table(Patricia Urquiola)、Saarinen Executive Chair(Eero Saarinen)、テキスタイルKvadrat
- 運営
- 株式会社Coogee
話し手
羽澤|ブランド窓口【要確認:フルネーム・肩書き】
金野|キュレーションブランド選定【要確認】
堀内|インフルエンサー窓口・運用管理【要確認】
野口|接客【要確認】
「使ってみたい」から始まる
——まず、NEDALY ROOMはどんな場所なのでしょうか。
羽澤:
いろいろなブランドの商品を一度に見て、試して、自分が使ってみたいものを選べる場所です。ブランドにとっては、商品を知ってもらい、その背景まで伝えられる接点になります。
商品を置くところで終わらせない。来た方が何に興味を持って、何を知りたいのか。そこまで見て運営していきます。
堀内:
来てくださる方には、「何かを投稿するために行く」と構えずに過ごしてほしいと思っています。発信する仕事をしていても、その前に一人の美容が好きな人なので。
自分に合いそうか、使ってみたいか。その気持ちから選んでもらえる状態をつくりたいです。
野口:
写真では気にならなかった色が、肌にのせると良く見えることがあります。逆に、ずっと気になっていた商品を試して「今の自分には違うかも」となることもある。
選ばないと決められることも、この場所の価値だと思っています。
選ぶ、という体験をつくる
——「ギフティングを、自分で選べるギフトへ。」という言葉には、どんな意味がありますか。
堀内:
情報は、誰にでも同時に届くようになりました。でも、実際に手に取って、自分に合うかどうかを確かめる時間は、むしろ減っていると思います。
ROOMは、その時間をつくる場所です。
羽澤:
「届いたから紹介する」と「自分で選んだから紹介したい」では、出てくる言葉が変わります。ブランドにとって価値があるのは後者のほうです。
だからROOMは、商品を送る場所ではなく、選びに来てもらう場所として設計しています。
野口:
試しているときに「これ、どう使うんですか」と聞いてもらえるのが、一番いい状態だと思っています。
場所そのものが、伝えている
——空間にもかなり手が入っています。
金野:
ブランドの価値は、商品だけでは決まらないと思っています。どういう場所で、どういう文脈で出会うか。そこまで含めて伝わるものなので。
テーブルはPatricia UrquiolaのBolete、椅子はEero SaarinenのExecutive Chair、テキスタイルはKvadrat。どれも長く使われてきたもので、流行で選んだものは一つもありません。
——なぜタイムレスな家具を選んだのでしょうか。
金野:
ブランドの商品開発は、年々速くなっています。新しい色も、新しい考え方も、以前より短い間隔で入れ替わっていく。
ここは、その変化を受け止める側です。受け止める器まで一緒に動いてしまうと、何を見ているのか分からなくなる。 商品が入れ替わり続けるからこそ、場所のすせは変えないと決めました。
羽澤:
商品を並べる什器も、場所の一部です。什器が主張しすぎると商品が沈むし、弱すぎると商品も軽く見える。そのバランスは何度か調整しました。【要取材:具体的に何を変えたか】
——同じ建物にカフェも入っています。
堀内:
THE PATH COFFEEが併設されています。ROOMは会員制で、カフェは誰でも入れる。 性質が逆なんですが、同じ場所にあることに意味があると思っています。
打ち合わせの前にコーヒーを飲んで、そのままROOMに上がる。あるいはROOMで商品を見たあと、カフェで話の続きをする。【要確認:導線の実態。同一フロアか、上下階か】
ブランドを並べることは、出会いを編集すること
——金野さんはブランド選定を担当しています。何を見て選んでいますか。
金野:
新しいかどうかは、優先順位の一番ではありません。
見ているのは、触ったときに何が伝わるかです。【要取材:具体例を1つ。どのブランドの、どういう質感やパッケージを見て、どう判断したか】
技術や開発背景が強いブランドもあれば、色やパッケージで惹かせるブランドもある。物差しを一つにそろえないことのほうが、ここでは大事だと考えています。
——韓国コスメに加えて、日本のブランドやデパートのブランドも並びます。
金野:
目当ての商品の隣に、知らなかったブランドがある。その状態をつくりたいんです。
同じカテゴリで固めると、比べやすい代わりに、知っている範囲から出られない。並べ方そのものが、この場所の編集だと思っています。
羽澤:
ブランド側とは、「今回、何を一番知ってほしいのか」を先にすり合わせます。商品説明をそのまま渡すと、読まれずに終わることが多いので。
話しかけることと、そっとしておくこと
——接客では何を大切にしますか。
野口:
入ってきたときの歩き方を見ています。まっすぐ棚に向かう人は、目的があって来ている。ゆっくり見回す人は、まだ決めていない。声をかけるタイミングが違います。
最初に聞くのは「普段は何を使っていますか」です。おすすめを伝えるより、その人が比べられる基準を一つ見つけるほうが早いので。
金野:
背景を知ってからもう一度見ると、印象が変わることがあります。なぜこの色なのか、なぜこの形なのか。
選定する側としても、現場で伝えたくなるものを探しています。
野口:
説明を全部するより、気になったものがあったときに話せる距離にいたいです。一緒に選ぶ感覚に近いと思います。
運用は、約束をそろえる仕事
——堀内さんの仕事は、その体験をどう支えますか。
堀内:
来る前に、何ができて何ができないかを先に伝えます。
どんなふうに過ごせる場所なのか、何を用意しているのか。ここが曖昧だと、来場してから気を使わせます。
窓口で伝えたことと、当日現場で言われることが違うのが一番よくない。それをそろえるのがオペレーションの仕事です。
羽澤:
同じことを、ブランド側とも。来場者への約束と、ブランドへの約束がつながっていること。この場所の信用は、そこにしかありません。
なぜ、会員制なのか
——誰でも入れる形にしなかった理由は、どこにありますか。
羽澤:
情報で差がつかなくなったことが大きいです。
新しい商品は、実物が出る前に全員が知っています。画面で見るだけなら、誰が見ても同じです。残るのは、どこで、誰と、どういう状態で出会ったか。 そこは、あとから検索しても手に入りません。
——ブランドにとっては、届く人数が減ることになりませんか。
羽澤:
一度きりのリーチで考えれば、そのとおりです。
ただ、届いた数と、その人がどう受け取ったかは別の話です。誰が来ているか分かっていれば、反応の意味が読める。その場で何かが動かなくても、必要になったときに思い出してもらえる。その準備をする場所だと考えています。
堀内:
運用上の理由もあります。落ち着いて試せる時間には、人数の上限がある。全員に開くと、一人あたりの時間がなくなります。
続けて来てもらえることも大きいです。一度しか会わない前提だと、その日にできることしかしない。前回の話の続きから始められることは、思っているより大きいと思います。
野口:
人前で発信する方でも、新しい商品については分からないことがあって当然です。分からないと言える場所は、あまり多くないと思います。
同じ人が何度も来てくれることで、場の空気ができていくとも思っています。
——閉じることへの抵抗はありませんか。
堀内:
あります。
だから同じ建物の一部は、誰でも入れるカフェにしています。会員でなくても、この場所には来られる。閉じているのはROOMの中だけです。
誰かに話したくなる、その気持ちを大切に
——ここでの出会いの先に、何を期待していますか。
野口:
自分で使ってよかったものって、友達と話しているときに「そういえば、これよかったよ」と出てきますよね。
その順番だと思っています。ただ、話すところまでお願いするものではなくて。自分だけのお気に入りとして使ってくれるのも、いい出会いだと思います。
羽澤:
ブランドにとっては、名前を知られることより、理解されることのほうが難しい。試して、説明を聞いて、自分で選ぶ。その過程があると、語られるときの解像度が変わります。
発売のタイミングだけで終わらないことも大事です。最初は興味を持たなかったものでも、その方の関心が変わったときに、改めて出会えるかもしれません。
堀内:
「このブランドともっと関わってみたい」という希望があれば、ご本人の同意を確認した上でブランドにつなぎます。そこから仕事になることもありますが、順番を逆にしないことが大事だと思っています。
これから
——また来たくなる場所にするために、何を育てていきたいですか。
金野:
来るたびに、選択肢が少し広がる場所にしたいです。新商品の数ではなく、同じ商品でも見方が変わるような並べ方をしていきたい。
羽澤:
ブランド担当者による体験会も動いています。オープン月には、雑誌やSNSメディアの編集者に向けた回と、ヘアメイク・スタイリストに向けた回を分けて実施する予定です。同じ商品でも、聞きたいことがまったく違うので。
堀内:
「何かを発信できる自分でいなければ」と気負わずに来られること。その安心感は、日々のやりとりでしか積み上がりません。
野口:
「この前選んだもの、よかったよ」と、また話しに来てもらえたらうれしいです。合わなかったものがあれば、その話も聞きたい。次に一緒に選ぶときの手がかりになりますから。
NEDALYが掲げるのは、「新しい美容との出会いが、次の毎日をつくる。」という言葉。
見て、試して、話して、自分で選ぶ。その先にあるのは、毎朝手に取る一本や、いつもとは少し違う色かもしれない。
NEDALY ROOMは、そんな小さな変化の入り口をつくっていく。